the Caduceus of Hermes

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Thomp・Song


「トンプソォ〜ン♪トンプソーン♪なんできーみはトンプソ〜ン♪♪」



んん〜、なかなかいいメロディーだなぁ。
よし、これをトンプ・ソングと名付けよう・・・。
うん、今日のボクはご機嫌だ。
だってようやく、クラウス殿が重い腰を上げてくれたんだから。



ボクの歓喜の歌に応えてか、リベルタは尻尾を立てながら
ブルブル震えているし、いつもボクの体にとまってくる鳥達は
肩や頭にたどり着く前に急上昇して空へ羽ばたいていく。



ふと・・・幸せのステップを止めて中庭に出る。
茂みに隠れるようにして様子を伺ったのはなんとなく怖かったから。
そうして廊下を通り過ぎていくハ・・・ハイン・・ナントカさんをやり過ごす。



「それにしてもよくあの・・・え〜っと・・・そうそう!ハインゼスさん!!
 彼がよくロンズデール伯爵家へ赴くことを承諾したよね」




お堅くて真面目で普段は理知的だけれど、脳を解剖してみたら
「忠」と「誠」と「心」しかなさそうなハインゼスさん。
クラウス殿の事となると俄然直情的になる彼だけれど、
まぁ主君も負けず劣らずイノシシだからどこか合致する所があったのかな?



「でもまぁこれでようやく・・・大手を振って彼に会いに行けるねぇ♪
 待ってろよ〜、ザ・カドゥケウス・オブ・ヘルメス!!」



右の拳を天高く掲げ、左手をズボンのポケットに入れてゴソゴソ。
ついに・・・これを使う時が来たんだな・・・!



「ふふふ・・・じゃーん!ザビエル君が置いて行った
 カラクサモヨウの布切れ〜!!」



これがもう不思議なのなんのって。
フロシキ?って言うらしいんだけれどこれに物を包んでいくといくらでも
道具が入っていくんだ・・・!



「ああ〜、もう何の道具を持っていこうかなぁ!
 試験段階ではあるけれど例の薬品を2、3、容量を分けて・・・
 ん〜でもその場合保温状態を分けて投与してみたいし・・・
 いやぁ、それよりもデシケーターの中で突然変異を見せたアレを
 試してみたい気もするなぁ〜!
 まったく、あんな環境の変化の乏しい中で変異を見せるなんて
 あの物質はまだまだ奥が深い・・・
 よっぽど繊細な性質を持ってるんだろうなぁ・・・
 いやいや、それだというなら一層運搬に気を遣わなきゃいけないよね。
 うん、いっそあの容器のままこのフロシキに詰め込んで・・・」




「レオン」



不意を突かれて思わずビクリとする。
振り返るとそこにはパトロン殿。



「な、なんですか?クラウス殿」



恐怖と不安を堪えるように、フロシキを背に担ぎ袋の両端を両手で
握り締める。
そうして間を空ける事数秒、次の瞬間クラウス殿が放った言葉は
ボクを絶望に至らしめるに十分な威力だった。



「道具は、二つ、までだ」



結局この発言が覆る事はなく、出発直前までフロシキにしがみつくボクは
リクに引きずられてフレースヴェルグを後にした。
ゲスト レオン 18:30 comments(0)
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