the Caduceus of Hermes

different ways of enjoying


……はぁ…



アリゼさんは決して不真面目な人じゃない。
そんなのは私だってわかってるわよ。

でも、『こういう』シーズンのアリゼさんは、
決まってどんな仕事でも、いつもの1.5倍は時間がかかる。

しかも今回はただのパーティーじゃない。
パトリック様とシャルロッテ様の、『婚約披露パーティー』!

ああぁ、アリゼさんはそういう
ロマンチックなもの、大好きですものね。

数日前からは衣装の打ち合わせに
仕立て屋も出入りしているようだし、

華やかなコサージュやアクセサリーが
私たちの目の前を通ることもしばしば。

そのたびに「ねえティルア…」って
おっとりとした声をかけてくるのだけれど、

ああぁ アリゼさん、お願いだからそのお話は
その手に持った紅茶をパトリック様にお持ちしてからにしましょうね。

…って、そうなる。



今だって、私がこうやって
資料室を一人で全部掃除している間に

アリゼさんはたぶんパトリック様に紅茶をお持ちしたあと、
お部屋にあるパーティーで使う小物などに見とれて…

…いえ。
彼女は別に「それら」が目の前になくたっていいのよね。

一度見たものを、何度も何度も
繰り返し思い出してはウットリして…

ハァ…
もう、何がそんなに楽しいのかしら?

確かに私だって、「あの」パトリック様の
婚約披露パーティーともなれば興味が湧かないわけじゃないけれど…

…って、ん?

これは…誰かの忘れ物?
ブノワさんが置いていったのかしら。

何かのリストのようだけれど…
……―――!!!


これは、これは………
ふーーん、…成程。

これは私も
俄然、興味が湧いてきたかもしれない。

アリゼさんの仕事も手伝って、
今日の仕事はなるべく早めに切り上げたい。

余った時間で、ブノワさんに
詳しい話を聞けたらいいのだけれど…
メイド ティルア 18:30 comments(0)
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